米国が、チベット仏教の最高指導者ダライ・ラマ(Dalai Lama)14世(84)の後継者選びの支援を国連(UN)に求めていることが分かった。同国で国際的な信教の自由問題を担当するサム・ブラウンバック(Sam Brownback)特使が、ダライ・ラマとの会談後に明らかにした。米国は、中国がダライ・ラマ後継者の任命に介入するのを食い止めようとする動きを強めている。
 ブラウンバック氏は先週、ダライ・ラマの亡命先であるインド・ダラムサラ(Dharamsala)でダライ・ラマと後継者問題について長時間話し合った。このときブラウンバック氏は、米国側としては、次期指導者を選ぶのは「中国政府ではなくチベット仏教徒ら」とする根本方針に世界的な支持を取り付ける方法を探っていると伝えたという。


 米首都ワシントンに戻ったブラウンバック氏はAFPに対し、「国連がこの問題に対処してくれることを願っている」と語った。

 同氏は、国連安全保障理事会(UN Security Council)で拒否権を持つ中国が、いかなる行動も阻止しようと強硬に働き掛けてくる可能性があることを認めた上で、少なくとも加盟国が国連に対して声を上げることを望んでいると主張。

「世界的な影響力を有する世界的な人物であることから、早期に世界規模で話し合いを持つことが非常に大事だと考えている」と述べた。

2019年11月9日 AFP
https://www.afpbb.com/articles/-/3253906