米ロチェスター大学イーストマン音楽学校は30日、所属の管弦楽団であるイーストマン・フィルハーモニーの中国ツアーの中止を決定した。中国当局が、楽団のメンバーで韓国出身の学生3人に入国ビザを発給しなかったためだ。
米複数のメディアによると、同楽団は12月に上海や杭州など中国各地で巡回公演を行う予定だった。イーストマン音楽学校は9月末、韓国人の学生がビザを取得できなかったのを把握した。中国当局がビザの発給を拒否した理由は、2016年、米軍が韓国に終末高高度防衛ミサイル(THAAD)の配備を決定したことと関係するという。



イーストマン音楽学校は当初、韓国人学生3人を残して、他の団員で中国ツアーを予定通り行うと決めていた。しかし、ロチェスター大学の在校生を含む世論は「収益のために中国当局に屈した」として強く反対した。



米NBCニュースによると、ロッシ学長は30日に声明を発表し、「すべての団員が一緒に行けるまで、中国ツアーは開催されない」とした。



いっぽう、ロチェスター大学では近年、チベットやウイグル問題に関する講演会を数回開催した。今年9月下旬、大学でチベット人留学生と中国本土の留学生の交流を深めるイベントが行われ、チベット亡命政府の駐ワシントン事務所の幹部が参加した。米ラジオ・フリー・アジア(RFA)によると、米国籍で韓国系学生のキム・セフン(Se Hoon Kim)さんがこれらのイベントの主催に積極的に関わった。「中国による管弦楽団のメンバー3人への措置は、私への報復であるかはわからないが、明らかに中国当局はチベット問題を取り上げる講演会に不快を抱いている」



中国当局は2016年、韓国政府がTHAAD配備を許可したことで、韓国の芸能人の中国での活動を禁止し、韓国製品の不買運動を主導した。

大紀元時報 2019年10月31日
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