記事まとめ
中国は中東諸国に札束外交を行っていたが、トルコと全面衝突する可能性があるという
ウイグル自治区を巡るもので、同地区にはマレーシア次期首相予定者からも指摘がある
また、中国への抗議が北欧諸国でも起こり、中国はスウェーデンへの旅行を禁止した

中国とトルコが「ウイグル自治区」を巡り全面衝突
2019年03月07日 01時10分 週刊実話

中国とトルコが「ウイグル自治区」を巡り全面衝突
(提供:週刊実話)

中国の新疆ウイグル自治区に約1000万人が暮らすウイグル族は、トルコ系少数民族だ。その多くはイスラム教徒で、中華人民共和国が中華民国時代だった1930〜40年代に「東トルキスタン」建国を目指す動きが起きるなど、歴史的にも漢族との確執を抱えてきた。

 2009年には、民族政策への不満や社会的な差別を背景に、新疆ウイグル自治区ウルムチ(首府)でウイグル族と漢族が衝突し2000人近い死傷者が出たこともある。

 「それ以来、中国当局によるウイグル族弾圧は苛烈を極め、今や100万人以上が自治区内の『再教育キャンプ』と名付けられた強制収容所に入れられています。こうした弾圧対し2月9日、トルコ外務省が中国当局へ『ウイグルのトルコ系住民の基本的人権の尊重と再教育キャンプの閉鎖を勧める』と、中国の行動を極めて強く非難する声明を出し、注目を浴びたのです」(中国ウオッチャー)

 トルコは、09年にエルドアン首相(現:大統領)が弾圧について「ある種の虐殺」と非難し、15年には中国から逃れてきたウイグル人難民に避難所を提供したこともある。

 マレーシアの次期首相予定者アンワール氏もウイグル族弾圧については、
「これはウイグルのみならずイスラム世界の悲劇である。100万人がすべてテロをしているとは到底言えない。問題は多くの国が沈黙していることである。ほとんどのイスラム諸国はウイグルのために北京に抗議できない。なぜならば、中国の投資に依存しているからである」
 と述べている。インドネシアでも野党の大統領候補の陣営が、ウイグル族弾圧について問題提起している。

 中国の「一帯一路」政策に伴う投資や開発援助などの赤いカネ、つまりシャープパワーに、貧しい国はなす術もない。富裕国であるカナダでさえ、孟晩舟ファーウェイCFOを拘束した際には報復外交を仕向けられた。

 スウェーデンでは、中国人観光客が路上で理由もなく警察から暴力を受けたと訴えたが、対中国国内向けの宣伝であり、指令された「演出」でないかとウワサされた。

 「この問題は、香港にあった『銅鑼湾書店(中国共産党に批判的な出版社)のオーナーが、タイの保養先から中国当局に拉致された事件に絡んでいます。このオーナーがたまたまスウェーデン国籍であったため同国から執拗な釈放要求がなされ、『中国には表現の自由がない』との抗議が北欧諸国にも起きたのです。中国はスウェーデンへの旅行を禁止しました」(前出のウオッチャー)

 話はトルコに戻るが、同国の政治経済の中心地イスタンブールのファテー地区はウイグル族の居住区となっており、付近にはイスラムの建物が点在している。もちろん地区住民には中国のスパイが混入しており、テロとの関連を警戒している。ウイグルの若者約5000名から1万名がISに流れたが、その拠点が、このファテー地区とされていたからだ。

 「中国からトルコへの観光客は18年に80%増えていましたが、それはトルコ政府が『一帯一路』に協力したばかりか、ウイグル族弾圧には無言を貫く代償として36億ドルの融資を中国工商銀行から得ていたからです。過去のトルコ政権は中国に投資を依存していたのです」(同)

 中東諸国にも中国の札束外交の魔手が伸びており、しばらくウイグル族弾圧に無言だった。しかし最近は中国共産党への抗議デモが各地で組織されるようになり、「人類の恥」「ナチスより酷い」というプラカードが並んでいるが、今のところ中国共産党政権には馬耳東風である。

2019年03月08日  news.nifty.com
https://news.nifty.com/article/domestic/society/12151-211274/