中国共産党に弾圧されているウイグルやチベット、南モンゴル、ベトナム、台湾などの活動家が一堂に会し、国際組織「自由インド太平洋連盟」の結成大会が26日、東京の議員会館で行われた。
世界ウイグル会議の初代総裁を務めたラビア・カーディル氏やチベット亡命政権国会議員のニャムガル・ドルカ氏、世界南モンゴル会議のショブチョード・テムチルト氏ら、100人余りが参加した。



結成の目的は、中国の覇権・侵略を断固阻止し、アジアの自由と人権を守ることや、中国の支配下にある各民族の自立と基本的人権を守ることにある。事務局は東京に置く。





700万人のウイグル人が強制収容所に……
自由インド太平洋連盟の会長に就任したラビア氏は、立ち上がり、熱心に訴えた。



「日本というアジアで最も自由で民主的な国で、自由インド太平洋連盟は発足しました。日本国民や多くの支援者の方々に感謝いたします。



中国共産党は、周辺のすべての国にとって、脅威です。1949年、中国共産党が東トルキスタンを侵略して以来、さまざまな方法で虐殺を行ってきました。宗教弾圧も行い、数多くのウイグル人が強制収容所に入れられています。ナチス・ドイツのアウシュビッツのような強制収容所が今、東トルキスタンに存在しているのです。



国連や米議会では、『100万、200万のウイグル人が強制収容所に入っている』と指摘されていますが、実際は500〜700万人のウイグル人が送られています。対象は、まずは信仰の篤い人、次に一般人、さらに学者や知識人、歌手や役者と拡大していきました。両親が収容されてしまうため、子供向けの強制収容所もあります。30代以下の青年世代は250万人が収容され、内陸の刑務所に移送されています。



海外に亡命したウイグル人は、強制収容所に入れられた家族のために、恐ろしい現状を証言し、ネットに映像を公開しています。中国への脅威を感じている国は増えており、この連盟の活動は大きくなると思います。世界の平和を取り戻すためにこの活動を行っていきたいです」

ラビア氏の演説後、ウイグル人青年らがそれぞれ86人の親族、64人の親族が強制収容所に入れられたと証言した。

日本が果たすべき役割とは
自由インド太平洋連盟の副会長に就任したドルカ氏は、「自由インド太平洋連盟は、ウイグルやチベット、南モンゴルなどが、共に中国共産党と戦い、痛みと愛を共有するために創立されました。中国政府はチベット人を洗脳し、恐怖を与え、チベットの歴史を抹殺しようとしています。これは人権侵害のレベルではなく、『民族浄化』です。誤った中国共産党の政策を正さなくてはなりません」と訴えた。

同じく副会長のテムチルト氏は、南モンゴルで中国政府が同化政策を行っていると批判。「中国の侵略・覇権拡大を断固阻止して、中国共産党を崩壊させ、アジアの平和を守るための活動を続けていきたい」と抱負を語った。

自由インド太平洋連盟は活動計画案として、以下のものを提示した。


中国によるウイグル、チベット、南モンゴル、ベトナムなどの弾圧の現状を把握するため、国際調査団の派遣を要求する


米ルビオ議員らが提案している、人権侵害に関わった外国政府高官に適用される「グローバル・マグニツキー法」で、陳全国新疆ウイグル自治区党委書記への制裁を求める

中国政府が強行する宗教、文化、言語などの抹殺行為をやめさせる

まずはホームページに最新ニュースを掲載し、毎年資料にまとめて、国連や国際団体、各国政府に提出することを目指すという。

ウイグルやチベット、南モンゴルなどの活動家が、国境を超えて国際組織をつくるのは初めてのことだという。人間同士の「横のネットワーク」を強くし、お互いに助け合うことは、中国の覇権主義を押しとどめる上で、極めて重要だ。連盟の創立の地になった日本に期待されているのは、中国共産党の民族浄化について明確に抗議し、国際世論を巻き込んで、その悪行を止めさせることだろう。

2018.10.26 the-liberty.com
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