中国の人権問題に関する米議会の委員会は10日に発表した報告書の中で、中国がイスラム教徒のウイグル(Uighurs)人をはじめとする少数民族に対し、前例のない弾圧を行っていると強く非難した。独裁的な手口は「人道に対する犯罪」に値する可能性があるとも言及している。
 超党派の中国問題執行委員会(CECC)は年次報告書の中で、中国は目覚ましい経済成長を遂げ、国際社会へ幅広く関与しているにもかかわらず、近年、少数民族に対する抑圧を強化していると批判。習近平(Xi Jinping)氏が2012年に中国共産党総書記、翌年に国家主席に就任して以来、「中国国内では人権は悲惨なまでにないがしろにされ、状況はほぼ全面的に悪化の一途をたどっている」と懸念を示した。

 委員長を務める共和党のマルコ・ルビオ(Marco Rubio)上院議員と共同委員長のクリス・スミス(Chris Smith)下院議員は要約部分で「特に注目すべきは、中国西部で100万人以上のウイグル人をはじめとするイスラム教徒の少数民族が大規模かつ恣意的に政治的再教育施設なるものに収容されていることだ」と指摘。こうした虐待は「人道に対する罪に該当する可能性がある」と糾弾した。

 これまで長期にわたって中国政府に改善を求めてきたスミス氏は記者会見で「宗派集団、とりわけウイグル人に対する弾圧がこれほど深刻になったことは(1960年代の)文化大革命(Cultural Revolution)以後なかった」と語った。同氏によれば、報告書には信仰や民族が理由で投獄されている1300人以上の名簿が含まれている。

 ルビオ氏は中国の人権状況について「今年またも悪化した。米中関係と中国の人々が人間としての基本的な自由を行使することの両方に悪影響が及んでいる」と述べた。

 報告書は中国共産党が「国が支援する弾圧、監視、洗脳」を通じて国内の一党独裁体制を維持していると強調している。

AFP 2018.10.11
http://www.afpbb.com/articles/-/3192852