スウェーデンの裁判所は、チベット人の個人情報を中国当局に売り渡していた同国在住のチベット人に対して、懲役22カ月の判決を言い渡した。ラジオ・フリー・アジア(RFA)が6月15日に報じた。

ストックホルム近郊の地方裁判所によると、チベット出身のドージ・ギャンサン(49)は2015年7月から、逮捕される2017年2月まで、スウェーデンに住んでいるチベット人の個人情報や政治的見解、渡航に関する情報を収集していた。

裁判所によると、被告は収集した情報をポーランドにいる中国政府の情報当局者へ渡し、少なくとも1回あたり5万スウェーデン・クローナ(約65万円)の報酬を現金で受け取っていたという。

スウェーデンのチベット人組織代表ジャムヤン・チョドン氏は、被告に有罪判決を下した裁判所の判断を支持するとRFAに述べた。中国スパイの活動は、チベット在住の家族や知人の安全を脅かす恐れがある。チョドン氏は、スウェーデン当局の対応を「ほかの国の見本になる」として謝意を示した。

チョドン氏によると、スウェーデン在住のチベット人たちは、チベットに住む家族や親戚が中国当局に嫌がらせを受けていることに疑問を抱いていたという。

「スウェーデンのチベット難民が唯一考えていることは、お互い助け合うことだ。この中国側のスパイのニュースを耳にしたとき、私たちはショックを受けた。信じられなかった」と述べた。

スウェーデン治安局諜報部代表ダニエル・ステンリン氏は、2017年2月のギャンサン逮捕後の声明で、「難民を対象とした不正な諜報活動は重大な犯罪だ」と述べた。

ステンリン氏は、難民の活動や発言の自由を脅かすような圧力は、政権批判させないために使われる手法だと指摘している。

2018年06月18日 epochtimes.jp
http://www.epochtimes.jp/2018/06/34085.html