日本記者クラブは8日、17日から予定していた中国チベット自治区への取材団の派遣を中止すると発表した。
 参加を予定していた産経新聞記者に対し、取材に必要なビザ(査証)が中国政府から発給されるメドが立たなかったため。クラブ側は「特定メディア排除を求める中国政府の決定には、『言論・表現の自由』の観点から承認できない」としている。クラブ側は7日、中国の程永華駐日大使に対し、文書で中止方針を伝えるとともに遺憾の意を表明したという。

 クラブ側は、取材団派遣が中国政府に認められたことを受けて加盟社から参加者を募り、産経新聞記者を含む11社11人のリストを提出した。ところが中国大使館から5月31日、「産経新聞記者にはビザを発給しないと本国政府が決めた」と連絡があり、再考を複数回求めたものの、変更の見込みがないと判断した。

 産経新聞社の乾正人執行役員東京編集局長は8日、「中国当局が取材団から産経新聞記者を排除しようとしたことは、言論の自由への挑戦であり、憤りを禁じ得ない。抗議する」とのコメントを出した。

2018年06月09日 読売新聞
https://news.nifty.com/article/domestic/society/12213-20180609-50027/