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中国とインドの国境付近で最近、金鉱脈が発見された。この鉱脈は中国の大好きなレアアースなどの戦略物資を含んでいることから、インド政府はこの事態に震撼しているという。
「国境は両国の紛争地で、昨夏73日間にわたる緊張関係が続いたあと、インドのナレンドラ・モディ首相と中国の習近平国家主席によるトップ会談で、相互に150メートル後退して停戦が成立したばかりです。しかし、その後も軍事的緊張は緩和されていないところに金鉱脈が発見されたわけですから、“入植者増からの軍が保護名目で出動”という中国お決まりの侵略に、インド政府は戦々恐々としているわけです。というのも中国は尖閣諸島や南シナ海と同じく、1962年の中印戦争以来、インド領アナチュル・ブラデシュ州を中国領だと言い張っているだけに、いつ侵略されるか分からないからです」(安全保障アナリスト)

金鉱脈の規模はどの程度なのだろうか。



未曾有の規模の鉱脈か
「開発すれば最低に見積もっても600億ドル分の金を含むレアメタルが埋蔵されているとされ、その量は未曾有の規模と地質学者などは評価しています。当該鉱山は中国チベット自治区のルフンゼ(中国名:隆子県)にあり、チベットの省都ラサから直線距離で南東へ200キロですから、すでに山岳地帯にトンネルを掘って道路が敷設されています。一獲千金を狙って四川省から移住する人まで出始めており、実際に深く坑道が掘られ、精製工場らしき設備も整い、かなりの鉱夫が入植しています。この地域はルパ族というチベット系の少数民族が暮らしていますが、その人口はわずか3500人しかいないため、中国の支配に抵抗するほどのパワーは持ち合わせていません」(国際ジャーナリスト)

一方、インド側からみるとルパ族の住む地域は、アルナチュル・ブラデシュ州の北側、インドの保護国ブータンから北東に位置しており、現在に至るまで中国人民解放軍の活発な動きが観測されている。

特にブータン北部にはキノコの一種で、中医学・漢方の生薬や薬膳料理・中華料理などの素材として用いられる『冬虫夏草』を密漁する中国人があとを絶たず、対立関係が続いている。それだけに、ゴールドラッシュとなれば、中国はインドとの国境防備にますます軍を増強し、南シナ海のように「気が付けば軍事施設」となるのではないかと懸念されている。

2018.05.27  まいじつ
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