特殊加工が施されたステルス機は通常、レーダーでは探知が困難とされる。しかし、チベットで飛行訓練していた中国人民解放軍の最新ステルス戦闘機は、インド軍のレーダーによって探知されていたことが明らかになった。軍事情報サイト・インド国防研究所(IndianDefenceReseachWing)が5月20日に報じた。
報道によると、インド空軍は、中国軍ステルス戦闘機「殲20(J-20)」がチベット自治区空域を飛行訓練していたのを確認し、インド空軍のSu-30を出動させ追跡した。すると、Su-30はJ-20をレーダーで捉えることができたという。

インド空軍指揮官ArupShaha氏は「中国のJ-20にステルス性(隠密性)は全くない。特別な技能を使わずに通常のレーダーで探知できる」と同メディアに語った。

中国国営メディアは、J-20はチベットで飛行訓練を行っておらず、「中国脅威論」に基づく捏造だと主張した。

いっぽう、フランス国営RFIによれば、今年初めに発行された中国人民解放軍報には、運20、殲20、殲10などの軍機は「高原地区」で離着陸訓練を行う予定であると明記されていた。

中国のJ-20は、2002年に成都飛機公司所研が開発した。レーダーに検出されにくい特殊な外装で、ミサイルを搭載できる第五世代ステルス戦闘機として製造された。2017年3月に正式に就役し、最近では海上訓練を行った。

米軍では早くから、その性能に疑問を呈していた。米空軍のデービッド・ゴールドフェイン参謀総長(大将)は、2016年8月、米国防省で開いた会見で、J-20の能力は米軍の最新ステルス機と「比較する意味もない」と一蹴。30年前に発表された米国ステルス戦闘機F-117程度だと明かした。

香港アジア時報も同年2月、軍事専門家の話として、J-20は「強力なエンジンを搭載していないため、ステルス戦闘機の『超音速の巡航能力』は発揮できない」と指摘した。

AP通信は2011年1月、J-20は、1999年に北大西洋条約機構(NATO)軍の旧ユーゴスラビア空爆に参加した米軍F-117が、セルビア軍に撃墜されたのち、中国に運ばれて技術転用された可能性があると報じた。米国防省は当時、報道内容を否定した。

2018/05/24 minkabu.jp
https://minkabu.jp/news/2115566