RFA(自由アジア放送)などからの情報によれば、昨日3月7日、現地時間午後5時頃(ダラムサラ・キルティ僧院プレスリリースによれば午後3時半頃)、アムド、ンガバ(ཨ་མདོ་རྔ་བའི་འབྲོག་སྡེ་རྨེའུ་རུ་མའི་རུ་ཆེན ། 四川省アバ・チベット族チャン族自治州アバ県)メウルマ郷の街中でツェコ・トゥクチャク(ཚེ་ཁོ་སྟུག་ཆགས། 44)が中国のチベット支配に抗議するための焼身を行い、その場で死亡した。ネット上に彼が仰向けで丸焦げになった写真が広まっている。周辺の多くのチベット人が彼の焼身を知り、悲しみを現しているという。
在オーストラリアの元チベット人政治犯でありツェコ・トゥクチャクと同郷であるメウルマ・クンガムが現地と連絡を取り伝えるところによれば、「ツェコは普段から政治意識が高くチベットの文化と言語を守ることに熱心であり、喫茶店などでも友人たちとよく政治の話をしていた」という。

クンガムはツェコ・トゥクチャクが焼身中「ダライ・ラマ法王の長寿とチベットの自由」を訴える叫びを上げたという。

またメウルマ・クンガムは「チベットの蜂起記念日である3月10日に向け当局は厳戒態勢を取りつつあり、すでに多くの武装警官や軍隊がメウルマ郷にも入っている。きっと彼は本当は3月10日に焼身したいと考えていたであろうが、その日には警戒が厳しすぎて焼身は難しいと判断し7日に実行したのではないかと思われる」と話している。

次の3月10日のチベット蜂起記念日は1959年から数え59回目となる。さらに特に2008年3月の蜂起から10周年ということで、当局はチベット人地区に対し最大限の警戒態勢に入っており、緊張が高まっている。

ダラムサラ・キルティ僧院プレスリリースによれば、ツェコ・トゥクチャクはメルルマ郷第四地区ナムツォマ村の出身、父の名はカダック、母の名はキラ。妻と二人の娘を後に残したという。彼は幼少時から成人するまでナムツォ僧院の僧侶であったという。

彼の父方の従兄弟でり同じくナムツォ僧院に所属していたサニンという僧侶が、2008年当局に逮捕されたのち、拷問の結果瀕死の状態で解放され、その後数ヶ月して亡くなったという。その他親戚の中に逮捕された経験を持つものが多いという。

彼の焼身は今年に入り始めてのチベット人の焼身抗議である。2009年以来のチベット本土におけるチベット人焼身抗議者の数はこれで153人となった。

2018年03月08日 チベットNOW@ルンタ
http://blog.livedoor.jp/rftibet/archives/51894557.html