世界文化遺産に登録されている中国チベット自治区ラサの仏教寺院「トゥルナン寺」(通称ジョカン寺、中国名・大昭寺)で17日に発生した火災で、中国当局はインターネット上の関連の書き込みや映像を削除するなど情報統制を強めている。チベットでは中国当局への反発が根強く、今回の火災が治安の混乱を招くことを警戒しているとみられる。
 火災の発生後、ネット上では同寺の一部とみられる建物が広範囲にわたって炎上し、屋上付近まで火柱が立つ様子を撮影した動画が拡散した。

 自治区中国共産党委員会機関紙の西蔵日報(電子版)は「火災はただちに消し止められ、死傷者はなく、周囲の秩序は正常に保たれている」と報じたが、出火原因は明らかにされていない。大半の官製メディアは火災について報じておらず黙殺している。

 トゥルナン寺は7世紀に建立。2008年の反中国デモ(チベット騒乱)では同寺周辺でチベット仏教の僧侶らが抗議活動を展開した。当局によると、同寺はチベット暦の元日にあたる14日から16日まで観光客らに開放されていたが、火災のあった17日は閉鎖されていた。

2018.2.18 産経
http://www.sankei.com/world/news/180218/wor1802180017-n1.html