中国政府が、チベット仏教の最高指導者、ダライ・ラマ14世の訪問が予定されているアフリカのボツワナに受け入れを拒否するよう圧力を強めているのに対し、ボツワナ政府は中国に、主権国家の判断を尊重するよう求めたいと強調し、アフリカで影響力を強める中国に屈しない姿勢を鮮明にしています。
チベットの高度な自治を訴えるダライ・ラマ14世を敵視する中国政府は、アフリカ南部のボツワナで来月開かれる人権をテーマにした集会にダライ・ラマ14世が招待されカ―マ大統領と会談する、とボツワナ政府が発表したことに強く反発しています。
26日には中国外務省の陸慷報道官が定例記者会見で、「中国は他国の内政干渉をすることはないが、他国が中国の核心的利益を損なうことは決して容認しない」と述べ、ボツワナ政府に対しダライ・ラマ14世の訪問を拒否するよう圧力を強める姿勢を示しています。

こうした中国の姿勢に対し、ボツワナ政府はベンソンモイトイ外相が「主権国家としてのわれわれの判断を尊重するべきだ」と述べるなど、ダライ・ラマ14世の訪問を認める方針を改めて強調しました。

中国がアフリカへの経済進出を加速させ影響力を強める中、ボツワナも発電所の建設などで支援を受けていますが、カ―マ大統領の指導力で中国一辺倒にはならない外交政策を取っていて、ダライ・ラマ14世の訪問をめぐっても中国の圧力に屈しない姿勢を鮮明にしています。

2017年7月27日 NHK
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20170727/k10011076161000.html