チベット(Tibet)のポタラ宮(Potala Palace)を訪れたことがあるならば、そこの汲み取り式便所をよく覚えている人も多いかもしれない。そのトイレはポタラ宮の山の中腹に建てられており、落差は10メートル余り。すでに300年近い歴史があって、旅行者には「世界で最も落差のあるトイレ」と話のネタにされていたほどだ。
 現在、チベットの「トイレ革命」背景下にあって、ポタラ宮のトイレはすでに過去のものとなった。代わりにあるのは、ポタラ宮の風格にふさわしい新しいトイレだ。

 今年始め、チベット自治区政府は業務報告で、大きな発展を目指す項目として「トイレ革命」を打ちだし、すべての地区に2000か所ものトイレの設置を決定した。地元住民の生活条件を改善させることで、生活の質の向上、観光方面の発展を促進させていく。

 ポタラ宮は、すでに去年からトイレ革命が開始されている。ポタラ宮管理所の関連責任者、李亮(Li Liang)氏は、「この『トイレ革命』を進める前、雪に囲まれたこの町のトイレは旧式の汲み取り式トイレで、普遍的に汚れている存在だった。2016年、ポタラ宮には100万人近い観光客が訪れた。ポタラ宮はチベットの代名詞で、『優馬には優れた鞍』を着けてあげなければいけない」と話した。

 現在、チベットはまさに観光の黄金期に入っており、ポタラ宮周辺には常に人の山ができている。記者がポタラ宮に向かっている道中で見かけたトイレは、すべてポタラ宮周辺の景色に溶け込んだ新式のものに変わっていた。外観はチベットの歴史を感じるデザインで、内部の多くは木が使われ、常にチベットの雰囲気を感じるようなイメージだ。汲み取り式の古いトイレは、参拝者の「歴史遺跡」となっている。

CNS/JCM/AFPBB News 2017年06月01日
http://www.afpbb.com/articles/-/3130218