トランプ次期米大統領と台湾の蔡英文総統が2日、電話で協議し、経済、政治、安全保障の緊密な関係を確認した。次期米大統領と台湾総統が協議し、双方がそれを公表したことに中国側は強く反発している。あえて台湾独立志向の強い民進党の蔡氏と接触したトランプ氏の思惑や今後の中国の出方などを探った。

 <台湾のプレジデント(総統)から、大統領選勝利を祝う電話があった。ありがとう>。トランプ氏は電話協議をツイッターでこう報告した。蔡氏を「台湾のプレジデント」と表現し、台湾側に配慮を示す一方で「電話があった」の部分は中国への配慮と読める大文字になっていた。

 台湾総統府によると、双方が協議を約束した上で、台湾側から電話をかける形で実施し、米国と英国に留学経験のある蔡氏も英語で話した。「一つの中国」受け入れを中国から迫られている台湾の蔡政権は、米国の支援が頼みの綱。電話する蔡氏の写真を公表するなど次期米大統領と直接対話した成果を内外にアピールしている。

 トランプ氏は「非公式協議」との説明も成り立つ大統領就任前のタイミングを選び、前例にとらわれない台湾総統との電話協議で中国を揺さぶった。トランプ氏側近のコンウェー氏は協議後、米CNNテレビの取材に「(トランプ氏は)米国の過去の政策を十分に理解している」と語った。トランプ氏は米国の対中国、対台湾政策を十分に理解した上で、協議に踏み切ったとの意味だ。

 周到な準備をうかがわせるエピソードがある。選挙戦中にトランプ氏の外交顧問を務め、次期国務長官候補に名前が挙がるボルトン元国連大使は、1月に米ウォール・ストリート・ジャーナル紙に「米国は台湾カードを使うべきだ」との主張を寄稿していた。

 ボルトン氏はネオコン(新保守主義)の代表的な論客としても知られ、蔡氏との電話協議の当日も、トランプ氏が陣取るニューヨークのトランプタワーを訪ねていた。

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毎日新聞 2016年12月4日