中国の新疆ウイグル自治区出身でオイラト族のバタさん(40)=仙台市青葉区=が、古里にオイラト語を学べる塾をつくろうと心血を注いでいる。少数民族の言語は廃れる傾向にある。文化を継承しようと市内で輸入卸売業を始めるなど、資金集めに奔走する。


 バタさんは2002年、東北大の留学生として来日した。天然資源に恵まれない中、経済発展を遂げた日本に学び、古里のために尽くそうと開発経済学を専攻。現在は、宮城県大河原町の医療事務のアルバイトで生計を立てる。

 バタさんが思い描く塾は、オイラト族の子どもらを対象に毎週末、無料でオイラト語を学べる場とする。モンゴル語や中国語教育が進み、オイラト語を話せない子どもが増えている現状に心を痛めるバタさんは「子どもらに民族の文化を引き継ぎたい」と話す。

 東北アジア研究センター(青葉区)の栗林均・東北大教授(モンゴル言語学)によると、オイラト族はモンゴルや新疆ウイグル自治区など中央アジアの少数民族。同自治区内では十数万から二十数万人が、主に遊牧生活を送る。近年はオイラト語を話せる人が減り、文化の継承が危ぶまれているという。

 塾の部屋代や講師代、教材代をためようと、青葉区で4月に始めた輸入卸売業は同自治区で作られた無添加の干しぶどうを仕入れ、大町2丁目の喫茶店「わでぃはるふぁ」や泉区将監10丁目の自然食品店「たんぽぽ」など市内4店舗で販売している。現在、取扱商品は1品のみだが、今後、拡大するという。

 将来、同自治区に進出を考える日本企業のコンサルタント業務請け負いも視野に入れるバタさん。「ウイグルと日本の文化交流が少ない中、両方の言葉を話せることを生かし、古里と日本の懸け橋になりたい」と意気込む。

河北新報
http://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201607/20160725_13044.html