先日掲載の記事「南シナ海裁定で完敗した中国、世界の『判決を支持』反応に逆ギレ」でもお伝えしたように、南シナ海の一件を巡り中国と周辺各国の間に暗雲が垂れ込めています。さらに追い打ちをかけるように先日開催されたASEMでは、安倍総理が中国を挑発。これについて、無料メルマガ『ロシア政治経済ジャーナル』の著者・北野幸伯さんは、どのように見ているのでしょうか?

安倍総理、ASEMで中国を挑発し、激怒させる

中国の挑発が激化しています。比較的最近の例をあげれば、

中国軍艦は6月9日、尖閣周辺の接続水域に入った
6月15日には、鹿児島県・口永良部島周辺の領海に入った
4月〜6月期、中国軍機に対する航空自衛隊の緊急発進は、199回(!)
やられっぱなしの日本ですが、最近よいニュースが入ってきました。そう、仲裁裁判所が、「南シナ海における中国の主張」を「完全否定」したのです。

CNN.co.jp7月13日付から。

中国は、海南島の南方から東方にかけて、南シナ海の9割を囲い込む「九段線」という境界線を設定し、資源採掘や人工島造成を行う権利の根拠としている。仲裁裁はこの権利を認めない立場を示した。

仲裁裁はまた、中国が人工島から200カイリまでを排他的経済水域(EEZ)としてきた主張に対し、人工島はEEZ設定の根拠にはならないと判断した。

さらに、中国は人工島周辺で自然環境を破壊しているとの見方を示した。
さて、安倍総理は15日、モンゴルで開かれたアジア欧州会議(ASEM)に出席しました。そこで、仲裁裁判所の判断を使って、「逆襲」を試みます(ASEMは、20年前の1996年に、第1回会議が開かれました。49か国+2機関=アセアン事務局、欧州委員会が参加する巨大会議です)。

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2016.07.25 MAGMAG NEWS