インド政府は、中国から同国に亡命しているチベット人の難民キャンプを許可なく訪問したとして、中国国営・新華社(Xinhua)通信の取材班一行のビザ更新を拒否した。インド政府が25日、明らかにした。一方で新華社通信は、「下らない」決定だと非難している。
 あるインド人高官によると、治安当局の指示により、新華社の記者3人は今週中に出国させられることになる。AFPの取材に匿名で応じたこの高官によれば、新華社の取材班は「治安当局からネガティブな注目を浴びてしまった。彼らはジャーナリストの肩書きとは一致しない活動を行っていた」という。3人は正式な国外退去処分とはならなかったが、有効期間1年のビザは今後更新されず、今月31日までに出国しなければならない。

 インド当局が取材班の何を問題視したのかに関する公式発表はない。だが、25日付の地元英字紙ヒンドゥスタン・タイムズ(Hindustan Times)がある高官の話として伝えたところによると、記者のうち2人は昨年、内務省の許可を得ずに偽の身分を使って、南部カルナタカ(Karnataka)州にあるチベット人キャンプを訪れた。その際、「制限区域入域許可証(Protected Area Permit)」を取得しなかったが、到着した時点で素性が明らかになったという。

 インドには、1951年のチベット動乱を鎮圧するため中国政府が軍を派遣した際に難民となったチベット人が多数暮らしている。

2016年07月25日 AFP
http://www.afpbb.com/articles/-/3095180