アメリカを訪問しているチベット仏教の最高指導者、ダライ・ラマ14世と人気歌手のレディー・ガガさんが討論会で意見を交わし、チベットの独立を支持する動きを警戒する中国政府は不快感を示しました。
インドに亡命中のチベット仏教の最高指導者、ダライ・ラマ14世は26日、アメリカのインディアナポリスで開かれた全米市長会議の討論会に、人気歌手のレディー・ガガさんらと共に参加しました。

討論会では、ダライ・ラマ14世が「他者への思いやりの心を育むことが一人一人の幸せや平和な世界につながる」と訴えたのに対し、ガガさんも「思いやりの心こそが人間が誇る最も偉大な資産だ」と応じました。

チベットの高度な自治を訴えてきたダライ・ラマ14世について中国政府は、「独立主義者」だと敵視していて、今回の2人の意見交換について、中国外務省の報道官は27日「国際的な人物は彼の本性をしっかりと認識するよう望む」と述べ、不快感を示しました。

ガガさんのほかにも中国本土の若い人たちに影響力のある香港の歌手や俳優が、ことしに入ってからインドで開かれたチベット仏教の行事に参加したと伝えられています。

中国の政府系メディアは、こうした歌手や俳優の芸能活動が中国本土で制限される可能性も示唆していて、ダライ・ラマ14世への共感が広がることを中国政府が警戒していることがうかがえます。

NHK 6月28日
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20160628/k10010574991000.html