中国では、今月から新疆ウイグル自治区の一部地域で住民がパスポートを申請する際に、DNAのサンプルを提出することが新たに義務づけられ、ウイグルの人たちの間で反発が広がっています。
中国・新疆ウイグル自治区では、イスラム教を信仰するウイグル族が人口の半数近くを占めていますが、漢族との経済格差や宗教活動が制限されていることへの不満が背景にあるとみられる暴力事件が後を絶ちません。

中国政府はこうした暴力事件について、国外から流入した過激なイスラム思想が誘発した「テロ」だと主張し、ウイグルの人たちの移動やインターネット上のやり取りへの監視や取締りを強化しています。こうしたなか、自治区の共産党系のニュースサイトは、カザフスタンと国境を接するイリ・カザフ自治州の公安当局が今月1日以降、住民がパスポートを申請する際、身分証明書に加えてDNAのサンプルのほか指紋や声紋の提出を新たに義務づけるようになったと伝えました。

関係者によりますと、従来からウイグル族はパスポートの取得が漢族よりも難しく、今回の措置によりウイグル族の外国への渡航はさらに制限されるとみられます。今回の措置は、中国政府がウイグル族への監視を強めるねらいもあるとみられ、「反テロ」の名の下に抑圧的な民族政策が強まっているとしてウイグルの人たちの間で反発が広がっています。

NHK 2016年6月8日
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20160608/k10010549521000.html