中国政府はふだんは取材を厳しく規制している少数民族のチベット族が暮らす地域を外国のメディアに公開し、地域の発展ぶりをアピールすることで、チベット族に抑圧的な政策を採っているという国際社会の批判をかわそうという思惑があるとみられます。
中国政府は、北京に駐在するNHKを含む外国メディアに対し、四川省のカンゼ・チベット族自治州の取材を許可し、17日、2800人を超えるチベット族の生徒が学ぶ職業訓練学校の様子を公開したほか、政府の資金援助によって高速道路や電気などのインフラが急速に整備されているとアピールしました。

また、自治州政府のトップが記者会見し、州内の安定は保たれていると強調したほか、亡命中のダライ・ラマ14世がチベット族の「高度な自治」を主張していることについても、「中国の憲法、そして共産党の指導者を拒絶するもので、法律に従わない考えは容認できない」と非難しました。

中国政府は、信教の自由の侵害などチベット族に抑圧的な政策を採っていると国際社会から批判されており、地域の発展ぶりをアピールすることでこうした批判をかわそうという思惑があると見られます。

2016年5月18日 NHK
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20160518/k10010525091000.html