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5日、トルコ・イスタンブールの中国領事館近くで、中国国旗を燃やす反中デモの参加者ら(ロイター)
 中国新疆ウイグル自治区などに居住するトルコ系のウイグル族が当局に弾圧されているとして、トルコ各地で反中国デモが頻発し、中国人旅行客が暴行を受けるなどの被害も出ている。中国では民族教育や官製メディアを通じて「国内の少数民族は弾圧どころか優遇されている」との認識が一般的で、海外における「抑圧政策」への批判の高まりは中国のネットユーザーにとっても理解不能な事態のようだ。
中国人と間違え韓国人を襲撃

 7月4日、トルコの最大都市イスタンブールで大規模な中国への抗議デモが展開され、中国人と間違われた韓国人旅行者がデモ隊の一部に襲われトルコ警察が救出する事態が発生。1日には同市の中華料理店の窓ガラスが割られる事件も起きた。デモ隊の写真を撮ろうとして殴られた中国人旅行者もいるという。

 トルコでにわかに反中機運が高まった原因は何か。中国国営新華社通信が運営するニュースサイト「新華ネット」などによると、イスラム教のラマダン(断食月)に入った6月18日以降、中国当局がウイグル族に対し断食などの宗教行為を禁じているなどと一部のトルコメディアが報道。トルコ外務省は中国大使に「深い懸念」を伝えたが、中国側は報道を否定した。

 またフェイスブックなどのソーシャル・ネットワーキング・サービス上でも中国警察によるウイグル族の弾圧を伝えるメッセージが拡散するなど、中国の民族政策に反対する機運が一気に高まっていたという。

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産経 2015.7.15