タイ政府は10日、トルコ・イスタンブールにある領事館を一時閉鎖した。タイ外務省が明らかにした。中国から逃れてきたトルコ系のウイグル族約100人を、タイ政府が中国へ強制送還したことに抗議する集団に同領事館が襲撃されたことを受けた措置。
 タイ外務省によると、襲撃は8日深夜から9日未明にかけて発生、亡命ウイグル族の組織を束ねる「世界ウイグル会議」の旗を掲げた集団によって、領事館の出入り口の窓や内部の備品などが破壊された。トルコの首都アンカラにあるタイ大使館は、領事部門以外は通常通り業務を続けている。

 中国への強制送還については、国連や米国のほか国際人権団体が非難するなど、タイ政府は国際社会の強い批判にさらされている。

 送還したウイグル族の身の安全への懸念を記者団に指摘されたタイ暫定政権のプラユット首相は、「中国は法に従って(ウイグル族を)処遇すると保証した。中国との関係が壊れてもいいのか」と反論するなどいらだちを見せた。(共同)

2015.7.10  産経
http://www.sankei.com/world/news/150710/wor1507100055-n1.html