フランスの週刊紙銃撃事件を受け、中国のインターネットには、イスラム教を信奉する国内のウイグル族などに対する締め付けの強化に賛成する意見が寄せられている。

 中国当局が、ウイグル族に関連する暴力事件と、欧米などに起きたイスラム過激派によるテロ事件と関連づけ、宣伝していることが背景にあるとみられる。
 新疆ウイグル自治区の人民代表大会(地方議会)が今月10日、ウルムチ市内の公の場で、イスラム教徒の女性が顔や体を覆うベールやスカーフなどの着用を禁じる規定を可決したとき、メディア報道やネット上の書き込みは歓迎する声で埋まった。

 横暴な振る舞いが多い中国の警察に対しては、ネット上で厳しい意見が寄せられることが多いが、ウイグル問題になると「当局の強硬姿勢」を評価する書き込みがほとんどだ。

 一方で、フランスの週刊紙銃撃事件に関連するものとしては、「フランスは宗教に対して甘すぎる」「中国のように、武器(の流入)を厳しく禁じなくてはならない」といった書き込みがみられた。

 新疆ウイグル自治区の公式ニュースサイト「天山網」によると、同自治区西部のカシュガル地区疏勒県で12日、爆発物などを所持した「暴徒」らと警察隊が衝突し、6人が射殺された。「暴徒」らの民族名は明らかにされていないがウイグル族とみられる。

 事件の動機や背景は全く伝えられていないにもかかわらず、ネットの書き込みには「よく発砲した」「テロリストを駆除してくれてありがとう」などと警察を称賛する意見が多かった。書き込んだのは漢族が大半とみられる。

 こうした傾向について、北京の人権派弁護士は、「欧州と違って中国には厳しい情報規制があり、一連の暴力事件の真相はほとんど明らかにされていない。ウイグル側の穏健派の意見は全く表に出ない。当局の宣伝だけで少数民族に対する誤解と憎しみが膨張し、民族間の不信感と対立は高まるばかりだ」と懸念している。

2015年1月12日 産経新聞
http://news.livedoor.com/article/detail/9666046/