南シナ海の領有権問題を巡り、フィリピンが国連海洋法条約に基づいて中国との仲裁を求めている常設仲裁裁判所(オランダ・ハーグ)に対し、ベトナムも自国の主張を伝えた。正式な仲裁当事国ではないが、事実上国際司法に判断を求めた形だ。中国と越比両国は政治的に融和を演出してきたが、司法を舞台に対立が深まりそうだ。

南シナ海問題
■フィリピンに続き強く意見 中国は反発

 南シナ海・スカボロー礁(中国名・黄岩島)でフィリピンと中国の公船がにらみ合う一触即発の事態が2012年4月にあり、フィリピンが中国を相手に仲裁を提起したのは13年1月。中国が参加を拒絶し、中国不在のまま仲裁人によって手続きが進行、裁判所は中国に陳述書の提出を求めていた。だが中国は今月7日、「裁判所には管轄権がない」とする文書を公表、あわせて南シナ海のほぼ全域を中国領とする従来の主張を展開した。

 これに鋭く反応したのがベトナムだった。レ・ハイ・ビン外務報道官は11日、「もう一度言う。ベトナムには完全な歴史的証拠と法的根拠がある。中国の主張を拒絶することがベトナムの一貫した立場だ」と発言。最近の融和的姿勢から一転、強い言葉で対決姿勢を示した。

 同時に、「ベトナムの法的権利に適切な注意を払うよう仲裁裁判所に要請した」と表明。ベトナムは中国との対立を避けるために仲裁裁判への参加に慎重だったが、南沙(スプラトリー)諸島での埋め立てなど、加速する中国の海洋進出に危機感を募らせ、踏み込んだ対応をとった。

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朝日 2014年12月14日