中国の新疆ウイグル自治区で、先月末に地元政府の施設などが襲われた事件について、中国国外に住むウイグルの人たちで作る「世界ウイグル会議」は、中国当局が事件のあと情報統制を徹底したため、現地で何が起きているのか不明だと主張し、独立した国際的な調査が必要だと訴えました。
新疆ウイグル自治区のカシュガル地区ヤルカンド県では先月28日、地元政府や警察の施設が襲われた事件があり、政府系のニュースサイトは37人が死亡し、独立を主張する「東トルキスタン・イスラム運動」につながるテロリストの犯行と当局が断定したと伝えました。

この事件について「世界ウイグル会議」の代表を務める、アメリカ在住のラビア・カーディル氏が、27日ワシントンで記者会見し、事件のあと中国の当局が徹底した摘発に乗り出し、ウイグルの住民が大勢殺害されたという情報があるとして、強い懸念を示しました。そのうえで、事件のあと中国当局が、インターネットを遮断し情報統制を行ったため、現地で何が起きているのか不明だと指摘し、独立した国際的な調査が必要だと訴えました。
さらに、カーディル氏は中国当局が無人機を使って上空から事件の容疑者に関する情報を集めているとして、圧倒的な力を使ったウイグルの人たちへの抑圧が加速するおそれがあると危機感を示しました。

NHK 2014年8月28日
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20140828/k10014152361000.html