中国の新疆ウイグル自治区で市民を巻き込んだ爆発事件が相次ぐなか、習近平指導部は、治安対策や思想統制の強化を通じてウイグル族の不満を力で抑え込んでいく方針を決定し、今後、ウイグル族の反発がさらに強まることも予想されます。

国営の中国中央テレビによりますと、中国共産党は29日までの2日間、新疆ウイグル自治区に関する政策を話し合う会議「新疆工作座談会」を北京で開きました。
この会議は2010年に胡錦涛前指導部で一度開かれましたが、習近平国家主席の就任後は初めてで、新疆ウイグル自治区の政策の方向性を決める重要会議と位置づけられています。

このなかで、習主席はテロとの戦いを訴え、「強固なとりでと厳重な警戒網を築かなければならない」と述べ、治安対策を強化し、ウイグル族の不満を引き続き力で抑え込んでいく姿勢を明らかにしました。

また会議では、国家への帰属意識や共産党の価値観に共感するよう思想統制を強める必要性も強調されました。
自治区の人口の半数近くを占めるウイグル族の間では、政治や経済面で圧倒的な実権を握る漢族との格差に加え、固有の文化や宗教活動への締めつけに反発が強まっています。

会議で習主席は「これまでの共産党の政策は正しかった」と強調するなど、従来の民族政策を見直す姿勢はみられず、今後、ウイグル族の反発がさらに強まることも予想されます。

2014年5月30日 NHK
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20140530/k10014841321000.html