オーストラリアの有力紙シドニー・モーニング・ヘラルドは、同国の主要大学内で中国当局が中国人留学生の「密告ネットワーク」を構築し、中国への反体制活動などの監視を強化していると報じた。現地の中国総領事はただちに抗議声明を出すなど摩擦が生じている。

 21日付の同紙(電子版)は、「シドニー大学の中国人スパイたち」と題する記事を掲載。複数の中国情報機関担当者が、中国の「核心的利益」を守るため、現地の中国人コミュニティーで監視網を形成していることを認めたと伝えた。

 主な対象はシドニーやメルボルンなどに留学する中国人学生ら9万人以上で、本国では規制されているチベットの人権弾圧問題や、非合法の気功集団「法輪功」への関与などを警戒しているという。
 シンガポールの英字紙ストレーツ・タイムズも22日付でこの問題を取り上げ、中国政府が、愛国心普及や潜在的な敵対勢力の発見のために学生組織を利用しているとの証言を掲載した。2008年に首都キャンベラで北京五輪の聖火リレーに抗議したチベット支援者は、シドニーなどから集められた中国人学生に攻撃されたと指摘した。

 シドニー・モーニング・ヘラルド紙は、オーストラリアの企業や政府も、電子情報技術に優れた中国の諜報活動にさらされていると警告。国内に浸透する「中国人スパイ」に対処できる「防諜能力強化が求められている」と警鐘を鳴らしている。

産経 2014.4.27
http://sankei.jp.msn.com/world/news/140427/asi14042710220004-n2.htm