江沢民元国家主席や李鵬元首相らかつての中国指導部お歴々に対し、スペインの裁判所が逮捕状に基づき国際手配を求めた。チベット族へのジェノサイド(民族・人種などの計画的殲滅(せんめつ)、人道犯罪の一つ)のかどだという。

 高齢の江氏らは外遊しないだろうし、中国の反発を受けて国外の人道犯罪に対するスペイン特有の裁判を制限する法改正が進んでいることもあり、氏らの逮捕・訴追は現実にはあり得ない。

 とはいえ、今回の件は、チベット族に対する中国当局の過酷な弾圧について国際社会に強烈な印象を与えた意義はあろう。
 ただし、手放しの歓迎とはいかない。例えば、直後にチベット仏教最高指導者ダライ・ラマ14世と会談し、チベット族の人権を高く掲げたオバマ米大統領も歴代の大統領や政権幹部らも、この報道に接していればだが、内心、嫌な感じを持ったに違いない。

 スペインは、国境を越えて裁ける「普遍的管轄権」の法理を人道犯罪などに導入し、1998年には、英国で療養中のチリ軍政独裁者、ピノチェト氏を訴追して、国際社会を騒然とさせた。

 英当局は氏を拘束しながらも、身柄のスペインへの引き渡しは拒否して、チリに送還する。その過程で、サッチャー元英首相は一貫して訴追に強く反対し、父ブッシュ元米大統領もそれを「茶番劇の裁判」と非難している。

 スペインの裁判所は、イラク戦争に絡む人道犯罪なども捜査しようとして、米政府の圧力で断念に追い込まれたとされる。

>>>全文

2014.03.11 zakzak.co.jp