【ルクチュン(中国新疆ウイグル自治区)=鈴木隆弘】北京・天安門前の車両炎上事件で、拘束された容疑者5人のうち、1人の男の出身地とされる街は、6月に武装集団が警察署などを襲撃した新疆ウイグル自治区トルファン地区のルクチュンだった。

 29日夜に現地に入ったが、すでに厳戒態勢が敷かれ、人々は固く口を閉ざした。

 狭い路地に、乾いた土壁の家屋が立ち並ぶ。29日夜、ルクチュンに入って男の自宅を探すと、寂れた農村にたどりついた。近くでトラックの積み荷を揚げ降ろししていた男女5人に容疑者の名前を告げたが、いずれも「知らない」と言葉を濁し、記者に不審な目を向けた。村内は公安の車両が頻繁に巡回していた。記者も間もなく発見され、取材の中断を迫られた。
 ルクチュンでは6月26日、ウイグル族の武装集団が警察署や政府庁舎を襲撃。警官隊との衝突で10人以上が射殺され、住民を含め計35人が死亡した。香港の中国人権民主化運動ニュースセンターによると、男の親族がこの時に射殺されたという。地元当局関係者は本紙に対し、この事件に関わったウイグル族の家族を「厳しく調べた」と語った。これをきっかけに北京での事件に加わった可能性もある。

 30日朝、ルクチュン郊外には検問所が設置され、住民以外は追い返していた。付近のホテル従業員は「天安門の事件後、警戒がまた厳しくなった」と話した。

2013年10月31日 読売新聞
http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20131031-OYT1T00279.htm