◇出身地の「会」が主催

 100年前にチベットに入った高島市安曇川町出身の青木文教(1886〜1956)の足跡や業績を語る「入蔵100年記念講演会」が6日午後1時半、同市安曇川町田中の中央ユニバーサルこども園で開かれる。
 文教は、浄土真宗本願寺派(西本願寺)の大谷光瑞・第22代門主が派遣した大谷探検隊の一員。1913(大正2)年にチベット入りして3年滞在したとされ、ダライラマ13世の教学顧問も務めた。チベットの社会や生活文化などを幅広く観察、調査し帰国後の20年に「西蔵(せいぞう)遊記」(西蔵はチベットの漢名)を著した。

 チベット探訪については、厳しい鎖国状態の中、日本人で初めて足を踏み入れた河口慧海(えかい)(1866〜1945)が知られる。ほぼ同時代人の文教は仏教・仏典だけでなく、人々とも交わって見聞を広め、世俗的なチベットも研究し、「チベット学の草分け」とも評される。

 講演会では、同書やチベットで使ったカメラや衣服など遺品が展示される。講師は龍谷大学の上山大峻(だいしゅん)・前学長と、近代の仏教とチベットなどについて研究する北海道大の高本康子・スラブ研究センター研究員。地元の「文教さんの会」主催、入場無料。

毎日新聞 2013年10月04日 地方版
http://mainichi.jp/area/shiga/news/20131004ddlk25040427000c.html