オバマ米大統領が中国の習近平シージンピン国家主席との7日の会談でサイバー攻撃問題での対策を求めたのは、中国が発信源とみられる攻撃で米企業に多大な損失が出ているからだ。


 米議会や財界からは中国への制裁を要求する声が高まっている。大統領は、「米中協力」のかけ声を超えた具体的措置を中国から引き出すことを迫られている。
 大統領は会談後の共同記者会見で、「知的財産の盗難」や金融・社会基盤システムに対するハッカー攻撃に対し、米政府の「深い懸念」を表明した。発信源として中国を名指しこそしなかったが、サイバー問題でのルール作りが米中関係にとって重要問題だと強調した。

 ジョン・ハンツマン前駐中国米大使らが5月下旬にまとめた報告書は、米国の知的財産が主に中国によって侵害され、年間3000億ドル(約29兆2500億円)以上もの損害が出ていると指摘。知的財産を盗んだ企業を米金融市場から排除することを提言した。

 議会では、米下院情報特別委員会のマイク・ロジャース委員長(共和)ら超党派議員は6日、米国にサイバー攻撃を仕掛けた外国人や政府に入国禁止や米国内資産の凍結などの制裁を科す法案を提出したばかりだ。

2013年6月9日 読売新聞
http://www.yomiuri.co.jp/net/news0/world/20130609-OYT1T00276.htm