【モスクワ=原誠司】ロシアのプーチン大統領は二十四日、インドを訪問し、ニューデリーでシン首相らと会談した。会談では、ロシアによる原発建設や軍用機販売など安全保障面での協力推進で一致。インドはロシアとの軍事関係を強化させ、台頭する中国に対抗する姿勢をあらためて示したといえる。


 両国は国交樹立六十五周年を迎え、プーチン大統領は「軍事技術を中心に全ての分野で信頼関係が築かれている」と評価した。


 タス通信によると、インドは戦闘機スホイ30MKI四十二機(ライセンス生産)を十六億ドル(約千三百五十億円)で購入。軍用ヘリコプターのミル17B−5は七十一機を十三億ドルで購入することで合意した。


 さらに、ロシアは、戦闘機のライセンス生産拡大を認めるほか、インドの重要プロジェクトへの投資など経済協力に最大二十億ドルの資金を準備する方針という。


 この日の会談では、インド国内でのロシア製原発の建設推進も協議。インド南部のクダンクラム原発では来年一月に原子炉1号機、八月には2号機が稼働する予定で、さらに原子炉二基を増設するほか、新規の原発建設についても話し合われたとされる。

東京新聞 2012年12月25日
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