世界約12億人のキリスト教カトリック信徒の頂点に立つローマ法王ベネディクト16世(85)は25日、クリスマスメッセージを発表し、今年11月に就任した中国共産党の習近平総書記ら新指導部に対して宗教を尊重し、信教の自由を認めるよう求めた。
 法王は、バチカンのサンピエトロ広場に集まった世界各国の巡礼者を前に「広大なアジア大陸に平和が芽吹くように」と語り、特に「任務が待ち受けている中国新指導者に、平和の王がまなざしを注ぐように」と祈った。その上で、中国新指導部に「宗教のもたらす貢献を評価し、宗教が高貴な(中国)国民と世界のための友愛社会の建設に寄与できるようにしてほしい」と呼びかけた。

 中国には政府公認のカトリック教会「愛国会」とバチカン系の地下教会があり、断交中のバチカンと中国は司教任命権限などを巡って対立している。法王メッセージは中国との対話や関係改善の可能性を視野に入れ、新指導部に秋波を送った発言とみられる。

 一方、法王は政権軍と反体制派の武力衝突が続くシリア情勢について「無防備な人々を巻き込み、罪のない人々を犠牲にする紛争で、シリア国民は深く傷つき、分断されている」と懸念を表明。双方に対して「流血の停止、難民・避難民の救援、政治解決に向けた対話」を求めた。

 法王はクリスマスメッセージの後、各国語で祝福を伝え、日本語でも「クリスマスと新年おめでとうございます」と述べた。

毎日新聞 2012年12月25日
http://mainichi.jp/select/news/20121226k0000m030136000c.html