中国は、領土拡大の野心を持ち尖閣諸島に迫っている。その深層には、海洋権益の獲得がある。中国の狙いは、東シナ海の支配権を握ることだ。海洋権益には、海底資源、水産資源などがあるが、最も古くからの存在に「塩」がある。

 戦国時代、甲斐の武田信玄は、海へ通じる道を獲得するために今川氏の支配する駿河への侵攻をもくろんだ。都への進出の道、そして、物資の供給路として海に着目していたのだ。今川は、武田への対抗措置として塩の供給を停止した。塩を摂取することは、人間が生きるうえで不可欠である。この時、武田と敵対する上杉謙信が、甲斐の民のために塩を送ったことが「敵に塩をおくる」という故事になった。古代ローマの兵士たちは、普遍的な価値を持つ塩を給料として受け取っていた。これが、給与所得を「サラリー」という語源である。塩は、昔から海洋権益のひとつである。塩の獲得は、「国」にとって重要な施策である。日本は、この塩を専売制としていたが、2002年から販売を自由化し、多くのご当地塩が出回るようになった。

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産経 2012.11.29