チベット仏教の指導者ダライ・ラマ14世は国会議員有志の招きに応じ、参議院会館で講演会行った。同会場でチベット支援を目的とする議員連盟を発足した。講演会には民主、自民、公明各党などの国会議員約130人が出席したという。
  ダライ・ラマは、チベットで人権が抑圧されていると述べ、「チベットで起こっていることの真実を外国の国会議員らが伝えたならば、中国指導部も焼身自殺の真相を知るに至るであろう」と述べ、日本の国会議員にチベット訪問を呼びかけた。

  日本側は自民党の安倍晋三総裁が「ダライ・ラマ14世は自由と民主主義を目指すという価値観で私たちと一致している。人権が弾圧されているチベットの現状を変えていくために全力をつくす」などとあいさつした。

  参議院会館におけるダライ・ラマの講演とチベット支援の議員連盟発足を受け、中国外交部の洪報道官は、「チベットは中国の領土の不可分の一部分だ」ダライは宗教の衣(ころも)を着て、国際的に長期にわたり中国を分裂させる活動をしている政治上の流亡者だ。われわれはいかなる国家、いかなる人物がいかなる方式であってもダライの反中国分裂活動に支持を与えることに断固として反対する」と非難。

  国会議員約130人が集まったチベット支援の超党派議員連盟の発足を「日本の右翼勢力が公然と、ダライラマの反中国分裂活動を支持し、中国の内政に干渉」などとして、強く非難した。日本政府に対しても「ダライと右翼勢力のこのような活動を放任する態度は、中日戦略的互恵関係の減速と精神にそむいている。中国は日本側に厳重に抗議した」と述べた。

  写真はチベット自治区ラサ市内を訪れた外国人観光客。11月13日撮影。中国政府は、改革開放にもとづく諸政策により、チベットに大きな利益がもたらされていると強調している。ダライ・ラマの政権が存在した当時のチベットについては、拷問や処刑で手足を切り落とされた人の写真などを集めた展覧会を開催し、「封建的統治によりチベット人民は残虐な扱いを受けていた」などと宣伝することがある。

サーチナニュース 2012/11/14 
http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2012&d=1114&f=politics_1114_001.shtml