ブータン東部からインド北東部にかけてのヒマラヤ山麓(さんろく)では、ヤク・チャムと呼ばれる無言劇が演じられる。乳や肉、労働力のほか毛や角、糞(ふん)も利用でき、高地の暮らしになくてはならない牛・ヤクが、どのように家畜となったかを劇にしたものだ。この地域の人々はヤクとともにチベット高原から移住してきた歴史を持つため、とりわけ貴重な動物だ。劇中のヤクの背にはチベットの女神が乗って、人々の暮らしを見守っている。<文・写真=小林尚礼(山岳写真家)>


毎日新聞 2012年08月13日 東京朝刊
http://mainichi.jp/feature/news/20120813ddm016040127000c.html