6月に取水規制を中心とした水資源保全条例を制定した佐久市の佐久創造館で28日、地下水保全の重要性について考える講演会「信州佐久の水を守る」(市などでつくる実行委主催)があり、長野市出身の猪瀬直樹・東京都副知事らが講演した。佐久市民ら680人が聴講。猪瀬副知事は「地下全てが自分のものという所有権の概念があるのは日本だけ。地下水を守るため、さまざまな法整備が必要だ」と強調した。
 猪瀬副知事は「この国のゆくえ」と題し、「中国資本が日本法人の名で日本の地下水源域の土地を買っている。何らかの手を打たなければならない」と指摘。また、都が水道のインフラシステムをマレーシアやベトナムへ輸出しようと取り組んでいることを紹介した。

 市の地下水等水資源保全研究検討委の委員長として条例制定に協力した中屋真司・信州大工学部教授は、県内の地下水使用量が全国10位で、地下水依存率49%のうち二十数%は佐久地域が利用していると説明。「今、飲んでいる水は15〜50年前に山地森林に降った雨が地下を流れ下った水。地下水資源量の把握や水源森林域の保全が必要だ」と訴えた。

毎日新聞 2012年07月29日 地方版