製紙大手の王子製紙が南通市の開発区に建設している製紙工場の排水処理計画に関し、同市沿海部で28日、1万人規模の反対デモが起きたのを受け、地元当局は同日、排水処理計画の撤回を宣言し、デモは同日中にほぼ収束した。

 計画は、工場排水を中国の環境基準に沿って浄化処理した後、工場を誘致した南通市が建設するパイプラインで約100キロ・メートル離れた海に排出する計画で、工事は既に始まっていた。

 デモは午前6時ごろから始まり、一部は地元当局の庁舎を占拠。群衆は、海水汚染による漁業や健康への影響を理由に計画中止を訴えた。

 地元当局は約5時間後、排水計画撤回を表明し、群衆に解散を求めたが、多くの参加者が居残ったため、午後に武装警官らを大量投入し、デモ参加者らを強制的に排除した。警官との衝突で負傷し、救急車で運ばれる参加者も出た。治安部隊は庁舎に通じる道路を封鎖し、夜まで警戒を続けた。

2012年7月28日 読売新聞