今秋に中国共産党大会を控え、国内の締め付けが厳しくなる中、北京市が1カ月に及ぶインターネット浄化運動を始める。同市公安局の傅政華局長は27日までに、簡易ブログで指導者批判などを行った場合、厳罰に処することを表明。異例ともいえる言論統制の“公言”に、ネット利用者らが怒りをあらわにしている。
 共産党機関紙、人民日報傘下の国際情報紙、環球時報(英語版)によると、傅局長は24日に開かれた会議で、ネット空間の浄化徹底を訴えた。処罰の対象となるのは、共産党や国家の指導者、現行制度への攻撃、政治的なウワサの捏造(ねつぞう)・流布とされている。

 浄化運動の主目的は、未成年者のための健全なネット空間の創造・保護としているが、ネット利用者はネット上での政府批判を封じ込めようという当局の意図を見抜いている。当局の意思でいかようにも拡大解釈できる曖昧な表現に対し、「攻撃」「政治的なウワサ」の定義を明らかにするよう求める声があがっている。

 同紙によると、憲法を専門とする研究者も、傅局長の発言を「曖昧かつ大ざっぱ」だと批判。「市民を罰するための権力の乱用につながりかねない」と警鐘を鳴らしている。

 中国憲法第41条は「中国公民はいかなる国家機関、国家要員に対しても、批評し建議する権利を有している」と定めている。捏造や歪曲(わいきょく)は禁じているが、正当な訴えに対しては、抑圧や報復を認めていない。

 「攻撃」「政治的なウワサ」の定義を明確にすれば、当局の“憲法違反”が追及されるケースが増えかねない。専門家は「政府が明白な事例についてもっとオープンになれば、ウワサは簡単になくなる」と指摘。当局側の隠蔽(いんぺい)・捏造・歪曲が、ウワサを誘発しているのが実情だ。

産経 2012.7.27
http://sankei.jp.msn.com/world/news/120727/chn12072719420006-n1.htm