中国政府がチベット自治区のラサに300億元(約3700億円)を投じて、大型テーマパークの建設を計画している。7世紀に当時のチベット王に嫁いだ唐王朝の皇女、文成公主の物語がモチーフで、歴史的な中国との密接な関係を訴える。
 国営新華社通信などによると、「中国チベット文化観光創意園区」と名付けられたパークの敷地面積は約8平方キロで、早ければ3年内に完成する。ダライ・ラマの宮殿であるポタラ宮とはラサ川をはさんで向かい合う位置に建設される。

 同自治区を訪れた観光客は昨年、約850万人で前年比24%増。今年は1千万人突破が目標という。パーク建設で雇用を生み、観光収入を増やすことで経済を活性化、中国政府に対する不満を和らげる効果を狙っているものとみられる。

 しかし、ラサでは今月7日、20代前半のチベット族男性が焼身自殺を図ったとの情報もあり、中国のチベット政策に抗議する住民の行動は続いている。チベット族の住民に対して、文成公主の“宣伝効果”がどこまであるかは不透明だ。

産経 2012.7.25
http://sankei.jp.msn.com/world/news/120725/chn12072517340005-n1.htm