中国共産党の機関紙、人民日報は28日付の論説で、米大統領選の候補者は自らの選挙キャンペーンで中国を「政治カード」として使っている、と強い調子で批判した。
米国が直面する真の経済問題が無視されている、としている。また、国の外交関係が大統領選挙という国内問題に飲み込まれているのは、米政治にとり「悲劇」だと断じた。

さらに「オバマ、ロムニーの両氏は互いへの攻撃で、どちらが戦略的なビジョンを持って中米関係を築くかや国内経済問題の解決につながる協力関係を構築するかではなく、『どちらが中国により強硬な姿勢を示すか』を競い合っているのは明らかだ」と指摘。「それが誤った方向性であることに疑いの余地はなく、また(民主、共和)両党の候補がともに近視眼的な戦略しか持ち合わせていないと皆に示すものだ」と論じた。

米大統領選の共和党候補者のロムニー前マサチューセッツ州知事は、「当選すれば中国を為替操作国に指定する」と言明するなど、これまでに何度も中国の通商・為替政策に対し厳しい態度で臨むことを主張。

一方の民主党候補のオバマ大統領は、投資会社ベイン・キャピタルを創業、経営者として率いた経歴を持つロムニー氏について、中国やインドへのアウトソースを行い、米国の雇用流出に加担したと批判していた。

ロイター 2012年 06月 28日
http://jp.reuters.com/article/worldNews/idJPTYE85R04720120628