チベットから亡命した少年を捉えたドキュメンタリー映画『オロ』が、6月30日から東京・渋谷のユーロスペースほか全国で順次公開される。
同作は、6歳でヒマラヤ山脈を越えてチベットからインドへ亡命した少年・オロが抱いた「なぜ母は自分を異国へ旅立たせたのだろうか」という問いの答えを自ら探していく姿を追った作品。監督は、1960年代から1970年代にかけて実験的な作品群を発表したことでも知られる、1934年生まれの岩佐寿弥。同作では自ら作中に登場し、オロと交流を深めている。また、劇中音楽は大友良英が担当している。

同作について詩人の谷川俊太郎は、「見終わるともう一度はじめから見たくなる、そんな魅力があるのびやかな美しい映画です。オロの涙、オロの笑顔、オロの言葉が、どんな大問題も個人にとっては日常として現れる、だからこそそこには苦しみと同時に喜びも希望もあるのだと教えてくれます」とコメントしている。また、オフィシャルサイトでは宮本亜門や加藤登紀子をはじめ、ジャズミュージシャンの渡辺貞夫、写真家の川内倫子、舞踏家の麿赤兒らがコメントを寄せている。

CINRA NET 2012/06/25
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