ソマリア沖での海賊対策任務を終えた中国の軍艦2隻が30日、香港の中国軍基地に寄港した。香港が今年、中国への返還15年を迎えることを祝うイベントの一環として、香港政府が招いた。存在感を示すことで、アジア太平洋地域への関与を強める米国を牽制(けんせい)する狙いもあるとみられる。
 5月4日まで停泊した後、中国本土に帰港するという。2隻はミサイル駆逐艦「海口」とフリゲート艦「運城」。2隻ともソマリアとイエメンに挟まれたアデン湾を航行する船舶の護衛に当たっていた。

 2隻が着岸すると、香港政府トップの曽蔭権行政長官が艦長らを出迎え、歓迎式典を開催。招待された市民らは海口の甲板に上り、対空ミサイルの発射口などを珍しそうに見て回った。

 また式典後、2隻が所属する艦隊の李士紅少将は報道陣に対し、フィリピンと中国が領有権を争う南シナ海のスカボロー礁(中国名・黄岩島)について「中国の固有の領土だ」と強調。「政府が決定したいかなる任務も遂行する自信がある」と述べた。(共同)

産経 2012.4.30
http://sankei.jp.msn.com/world/news/