チベットで発生した僧侶の焼身自殺について、中国が見解

  中国人民政治協商会議第11期全国委員会第5回会議の記者会見が3月2日午後3時、人民大会堂で行われ、趙啓正報道官が国内外メディアに今会議の状況を紹介し、記者の質問に答えた。中国網日本語版(チャイナネット)が報じた。以下は趙啓正報道官の談話より。
■「焼身自殺」に関する他の記事 - サーチナ・ハイライト

  記者:過去1年あまりでチベット自治区や四川省のチベット族居住区で僧侶による焼身自殺が20件以上相次ぎ発生している。それについてどう思うか?

  また、ダライ・ラマは2011年11月に海外メディアで焼身自殺はよくないと話した。中国政府はダライ・ラマとスムーズに意思疎通を図るルートがあると強調している。中国側がこうしたルートを通じて焼身自殺を制止させる公開声明を発表するようダライ・ラマに促しているのではないか?西蔵日報が伝えたところでは、自治区党委員会は最近党員幹部を何人か派遣し、寺院に毛沢東氏、トウ小平氏、江沢民氏、胡錦濤氏といった4人の指導者の肖像画を持っていったという。これは憲法の政教分離の原則に違反し、チベット自治区の緊張情勢が強まるという学者もいるが、報道官はどうお考えか?

  趙啓正報道官:チベット自治区で相次いで起きている僧侶による焼身自殺について、そのうち多数の僧侶は非常に若く、もっとも若い僧侶でわずか18歳と聞いている。これにはわれわれも深く心を痛めている。

  これらの不幸な事件が発生する前に時間と場所を予告し、撮影用のカメラを用意し、焼身自殺者を救おうとする人を妨げた人がいることを記者の方々に知っておいてもらいたい。事件発生後、ダライ・ラマが何を言ったか、あなたの話では彼らに焼身自殺をするなと言ったらしいが、わたしが知っているダライ・ラマは焼身自殺者は勇気があると公の場で称賛を送った。あなたが聞いた情報とわたしが聞いた情報のどちらも存在するのであれば、ダライ・ラマは二枚舌ということになる。

  ある僧侶によると、仏教は生命を尊び、殺生に反対する。十四根本罪の不殺生は一切の生命を殺さないことを第一戒とし、人を殺すことは罪業が深く、自殺は殺人の次に罪が深いとされる。どんな人も生命は大切にするべきで、生命を軽視する自殺は慈悲でも智恵でもない。話があるならきちんと話をし、人にたぶらかされることなく、一時の雑念から極端な行動に出ることで生命を失ってしまえば悔やんでも悔やみきれない。

  これまでチベット自治区は僧侶の修行や生活条件を改善するため、道路や水道、電気などの寺院のインフラ施設を解決したほか、文化サービスも提供、生活条件を改善し、余暇生活を豊かにするなど一連の措置を打ち出してきた。あなたのいう指導者の肖像画の件は、チベット自治区の平和解放60周年を記念する1枚の絵のことだろう。4人の指導者が描かれているが、自治区のこうした措置は地元の歓迎を受けており、非難するようなことではない。

サーチナ 2012/03/03
http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=