ブラッド・ピットが34歳、1997年に出演した映画が『セブン・ウイヤーズ・イン・チベット』である。オーストリアの登山家ハインリッヒ・ハラーの自伝が原作の実話映画であり、第二次世界大戦直後にイギリス兵から脱獄、ほうほうの体で歩き逃げた末に高山仏教国のチベットへ辿り着き、ここで7年間の生活を送る。
現ダライ・ラマ14世の少年時代も描かれている傑作ヒューマン作品であるが、中国では発禁処分が下されている。中国側によるチベット侵攻場面が描かれている為だ。中国共産党による軍事侵略がなされた1950年以来、両国の関係はとても繊細である。

24日、チベット仏教最高指導者ダライ・ラマ14世(76)が後継者問題についての声明をインターネット上に発表した。

軍事侵略依頼亡命を余儀なくされているダライ・ラマは、自身が90歳前後に到達した際、"転生"によって後継者を決めるダライ・ラマ制度を見直すとコメントしている。後継者については自身らチベット仏教側が独自に15世を指名する考えもあるという。

ダライ・ラマは中国側の支配・干渉をけん制した形となる。というのも2007年、チベット仏教の"転生"を届出ならびに許可制とする抑圧的な「チベット仏教活仏転生管理弁法」を施行しており、ダライ・ラマ後継者については必ず何らかの政治的干渉が行われると考えられるからだ。

一方で中国側はこの声明に対し批判を展開しており、新制度導入はせず、自国の伝統を存続させるべきだとコメントしている。

チベット仏教の寺院などを尽く破壊した中国側が「伝統を守れ」とは何ともおこがましいという声が聞こえてきそうだが、とにかくこの歴史も半世紀が経過、そろそろ何らかの妥協点を探るべき時期が来たのではないか。

中国側が地下資源の豊富なチベット地域を軽々と手放すとは考えにくいが、軍事的な経済効果に頼らずとも既に一人立ちを始めている中国である。長きの支配にピリオドを打ち、何らかの譲歩が望まれるところだ。

【記事:G・Joe供

日刊テラフォー 2011年9月28日
http://www.terrafor.net/news_gSRbAcgyby.html