中国で政権転覆扇動罪に問われ服役していた著名な市民活動家、胡佳氏(37)が出所し、26日未明、北京市の自宅に戻った。胡氏の妻、曽金燕さんがネット上などで明らかにした。胡氏は同日に刑期満了で出所予定だった。胡氏は服役中の2008年12月に欧州連合(EU)欧州議会の人権賞「サハロフ賞」を受賞、ノーベル平和賞の有力候補に名前が挙がったこともある。
 中国当局は22日、脱税の疑いで拘束されていた著名芸術家で人権活動家の艾未未氏の保釈も公表。相次ぐ活動家の保釈などの背景には、今月の温家宝首相の欧州訪問や7月のバイデン米副大統領の訪中をにらみ、国際社会の人権批判をかわす狙いがあるとみられる。

 ただ中国当局は、出所したり釈放されたりした活動家の行動も厳しく監視しており、胡氏が自宅で軟禁状態に置かれる可能性も指摘されている。

 曽さんは胡氏の出所前、共同通信に対し「出所後は(中国当局に)自由な活動を禁じられるだろう」と話しており、胡氏本人が出所直後にメディアの取材に応じられるかどうかは分からないとの認識を示していた。

 エイズ孤児支援や人権問題に取り組んでいた胡氏は08年4月、外国メディアの取材を受けたことなどを理由に政権転覆扇動罪で懲役3年6月の実刑判決を受けた。(共同)

産経新聞 2011.6.26
http://sankei.jp.msn.com/world/news/110626/chn11062610590003-n1.htm