【上海共同】チュニジアの「ジャスミン革命」に倣った民主化集会がインターネットで再び呼び掛けられた中国・上海市中心部で27日午後、中国人の若者ら少なくとも男性6人が連行された。うち1人は日本のテレビ局の日本人カメラマン。警察当局は通行人の排除に乗り出し規制を強化したが、警官を取り囲むように3千人以上の人だかりができて一時騒然となるなど混乱が続いた。

 上海では、最初の集会呼び掛け日となった20日にも全国で最も多くの連行者が出た。中国最大の経済都市は緊迫の度を増し、警察は警戒を格段に強化した。

 上海のほか、首都北京など中国各地の主要都市では20日と同様、多数の警官を動員して徹底した抑え込みを図った。2009年に少数民族住民らによる大規模な暴動があった新疆ウイグル自治区ウルムチでも、小銃を持った警官らが厳戒態勢を敷いた。

 上海市の現場は、市政府庁舎に近い繁華街。集会時間に指定された午後2時(日本時間同3時)前から、警官と一部市民による言い争いが数カ所で発生。言い争う声に合わせ、周りにいた人たちが「ウォー」という怒声を一斉に警官に浴びせる場面もあった。集会やデモには発展しなかった。

 上海や北京では、私服も含め百人以上とみられる警官が動員されたほか、人々が立ち止まったりしないよう散水車が出て水をまいた。

東京新聞 2011年2月27日
http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2011022701000364.html