防衛省は16日、潜水艦や不審船を上空から監視する海上自衛隊の新型哨戒機P1を、今後5年間で約10機調達する方針を固めた。政府が12月に決める「中期防衛力整備計画」(中期防)に盛り込む。現役のP3C哨戒機は今後5年間で約20機の退役が見込まれているが、同省は退役を10機程度にとどめて耐用年数を延ばす。国の財政難で新規調達が限られるなか、同省は日本近海での活動を強める中国海軍を念頭に監視強化を目指す考えだ。

 P1は来年度中に、初めて1機が実戦配備される。自衛隊関係者によると、ジェットエンジンのP1は、プロペラ機のP3Cの約1.3倍の速度で飛行し、10時間以上の哨戒飛行も可能。より高い高度で運用でき「気象条件に左右されないきめ細かな探知が期待できる」(防衛省幹部)という。防衛省は、調達にかかる費用を約2000億円と見込む。

 一方、1981年に導入が始まったP3Cは3月現在、改良型も含め94機が現役で活動中。海自はP3Cで毎日、北海道の周辺海域や日本海、東シナ海で監視飛行し、中国が掘削に踏み切った可能性が高い東シナ海のガス田「白樺」=中国名・春暁(しゅんぎょう)=を毎日撮影し、現状を政府関係者に伝えているが、老朽化は否めず、昨年3月から順次退役が始まった。

 防衛省は今後5年間で、約20機のP3Cの引退を見込んでいたが、国の財政難から同数のP1を購入するのは困難と判断。数年間の延命措置を施すことで、退役させるP3Cの数を購入するP1と同数にとどめる「苦肉の策」(幹部)をとることにした。【樋岡徹也、坂口裕彦】

毎日新聞 2010.11.17
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