【台北共同】台湾国防部(国防省)の情報機関である軍事情報局で、中国情報の収集を担当する上校(大佐に相当)が中国側から買収され、中国に潜入している台湾の情報要員リストなどの機密情報を漏らしていたことが分かった。2日付の台湾各紙が報じた。

 報道によると、この上校は10月31日に逮捕された。国防部は、軍事情報局の軍人に機密漏えいの疑いがあり逮捕したことを認める発表資料を出したが、詳しい内容は明らかにしていない。

 台湾紙、中国時報などによると、上校は台湾ビジネスマンを装った情報要員を中国国内に潜入させて情報収集していたが、この要員が中国当局に拘束され、脅しや金銭により寝返って「二重スパイ」となった。さらに中国側からの多額の金銭を上校に渡して、台湾の機密を提供するよう要請。

 上校は、潜入スパイ名簿や内部の会議録などの機密情報100件以上を提供。10月末に、機密資料を保存したUSBメモリーを情報要員に渡そうとした現場を発見され、情報要員とともに逮捕された。

東京新聞 2010年11月2日
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