【シンガポール=岡崎哲】27日付のオーストラリア紙シドニー・モーニング・ヘラルドは社説で、沖縄・尖閣諸島沖での中国漁船衝突事件などに関連し、「日本がひるんで船長を釈放したのに中国は日本人4人を拘束したままだ。謝罪と補償も求めている」と指摘。


 この上で、「中国は軍事力、経済力を誇示するため、こうした問題をさらに引き起こしうる」と懸念を示した。

 社説ではともに米国の同盟国である日豪への中国の対応の違いを紹介。豪州とは軍事交流を深めながらも、日本に強硬なのは「偶然の一致どころではない」とし、「我々の前庭に入らないなら礼儀正しく協力的になれる、という中国からのメッセージだ」と指摘した。

 豪中関係は昨年、資源企業同士の提携計画破談を機に悪化し、中国は豪州人社員逮捕などで報復した。だが、先週、中国が日本と尖閣問題で、米国と人民元問題で対立する中、対豪関係を大幅に改善させた。中国南方航空が19日、豪州便増便を発表。20日にはシドニーに中国海軍船が親善寄港し、黄海で合同演習も実施した。

 読売新聞 2010年9月27日
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